日常の中の色彩

とびきりの人生を手に入れるための入院生活2−1

ihori.mihoko
(社)ライフシントロピー協会

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2017.9.24 お昼ごはん

リビングと寝室、この数ヶ月と、たぶんあともうしばらくは、この限られた場所だけが、私の世界。
体が辛い状況の中で、楽しいこと、ときめくこと、探すのはむずかしい毎日だけど、それでもハッと心躍る瞬間がある。
奥から湧き上がってくる喜び。

それは、青いガラスのコップがとおす美しい光に気づいた時だったり、送られた青いりんごの箱の隙間に、小さな赤いリンゴが3つ忍ばせてあるのを見つけた時だったり、日常の中のほんのささやかな一コマ。
こうして書くと、今はことさら「色」にときめきを感じてるんだなぁ。

今日はお昼ごはんの、トーストの縁のこげ茶ときゅうりの緑の組み合わせに、「写真撮りたい!」って思うほどテンションが上がってしまった。
きっと、今の私にしかわからないこの感受性。
理屈じゃなく、色の組み合わせにとても惹かれる。
結局、写真ではこげ茶×緑じゃなく、ほぼ真っ黒×緑になってしまったけれど。

数日前には、ゴーヤチャンプルに激しく反応してしまった。
もう、見た瞬間、私、というよりも体の細胞が沸き立つように喜んでいて、自分でも笑っちゃうくらい。

後で気づいたんだけど、ゴーヤの緑、ベーコンの淡いピンク、卵の優しい黄色と、全部の色が勉強会でもらった「細胞がよろこぶ色彩シート」の色だった。
すごいな、色彩のパワー。
作ってくれた夫もえらい、おいしかったし(笑)

ちなみに今、こうして写真にしてみると、愛あふれる食卓だなぁ。

安曇野で見つけたりんご農家のmさんが丹精込めて作ったりんご。
私が具合が悪くなってからずっと、採りたての野菜を届けてくれるyさんのきゅうり。
レンコンが食べたいっていうリクエストに答えて作ってもらった根菜たっぷりのスープ。
夫が毎日、作ってくれるごはん。
使える薬のないわたしには、食べるものが薬なのです。

近年、夏のお気に入りのキュウリトースト。
心ときめいた色彩は、胃に染み渡るように美味しかったです。
生かされているなぁ。

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